夜中の首都高

 

 

走る

ただ走る

 

 

風をきって

ひとり

 

気持ちいい

ああ気持ちいい

 

なんたってここは

 

 

 

 

僕はいつもここで息をする

 

 

思わずこのまま未知の空間に行ってしまうんじゃないかという錯覚にとらわれながら進む

 

辿り着いた先は「ここではないどこか」だろうか、そうだといいと願う

 

常識も何も通用しない

僕にしかないこの時間が僕はたまらなく好きだ

 

 

からっぽになってそのまま浮いていくのか

 

 

 

考えない

なにも考えない

 

何がなんだかわからない

 

でもはっきりとわかる

冷たい風がライダースを通り抜けて地肌に当たり、次々とこの身にまとわりついた異物を落としていく

 

 

あの狭い水槽でいっぱいいっぱいの水で溺れそうだった僕はここで久しぶりに息をする

 

息をしている

今、息をして生きている

 

 

 

音がする

 

僕の中で目覚ましく立ち上がる生命力の奏でる音だ

 

 

二輪が好きだ

どうしようもなく

 

 

 

 

 

 

そうだ、いいこと思いついた